ブレーキの異変は音から感じる

自動車の安全装置で最も重要なのはブレーキです。
高速道路や長い下り坂の走行中に急にブレーキが効かなくなった、なんてことを考えるとゾッとしてしまいます。

自動車のブレーキの異常は外部からはすぐにはわかりませんが、運転中にちょっと耳を澄ますことで、その異変を感じ取ることは可能です。

ブレーキに何らかの異常が起きると、明らかにそれまでなかったような異音が聞こえてくるので、そうしたことが起こった時には早めに整備士のいるお店で詳しく調べてもらうようにしましょう。

ブレーキの異音にもいくつかの種類があり、どういった音が聞こえるかにより、どこに異常があるかをある程度推測することができます。

まずよくあるケースとしていわゆるブレーキの「鳴き」があります。
これは文字通り鳴くような音が聞こえるというケースで、「キーッ!」や「ゴォー!」といった金属が擦り合うような嫌な音が聞こえます。

こうした「鳴き」の原因はブレーキパッドの摩耗にあると考えられます。
自動車のブレーキシステムは、フットブレーキを踏み込むことで車輪の中央部分にあるディスクをブレーキパッドが締め付けるという仕組みです。

ブレーキパッドはノンアスベスト材やセミメタリック材などいくつかの種類がありますが、特殊な素材をもとに作られており、金属部分を締め付けたときに衝撃を緩める役割をしてくれます。

しかし回転中のディスクを締め付けることから、長く使用していると次第に摩耗をしていき、本来の効果を発揮できなくなってしまうのです。

本来は異音が鳴る前に交換をしておくのがよいのですが、もしおかしな音が聞こえたら早めに見てもらうようにしましょう。

サビが原因で鳴る場合もあります

もう一つ、ブレーキの異音の原因となることとして、ディスクローター部分のサビがあります。
ディスクローターというのは自動車のタイヤを取り付けるときのいわば土台のような部品で、タイヤを取り外すとすぐに表に出てくるものです。

この部分がサビてくるとブレーキを踏み込んだ時に「コー」という何かがこすれるような音が聞こえてきます。

これはブレーキを踏んだ時にブレーキ部分とディスクローターとで振動が起こるので、断続的に擦れ合うような音が聞こえてくるのです。

実際の修理状況では、このディスクローターのサビとブレーキパッドの劣化が同時に起こっていることが多く、古い自動車であまり整備をしていないときによく見られます。

対処方法としてはブレーキパッドの状態を確認するとともに、サビを除去してさらに振動を緩和するグリス剤を塗布するという方法があります。

あまりにも古くなった場合にはディスクローターそのものを交換するということもあるようです。