安全運転の基本は乗車姿勢から
座って運転できる自動車の場合、ついつい運転姿勢が崩れてしまいがちです。
特に毎日長距離運転で通勤をしている人や、営業で長く運転している人などは、疲れもあってかだらしない姿勢で運転をしてしまっていることがよくあります。
よくあるだれた運転姿勢の例として、左足をシートに乗せて片膝を立てて運転してしまっていたり、片手を常に放して別のことをしていたりといったことがあります。
腰痛がある人などは座っているというより、ほとんど寝転んでいると言ってもよいような極端な後傾姿勢をしていたりします。
そうした運転方法は危険認知が大幅に遅れるとともに、急な操作反応をすることができません。
運転姿勢が乱れているということはすなわち「自分は事故にはあわない」という根拠のない油断と気の緩みがあるということです。
運転席に座る人は自分の命だけでなく、同乗する人や他のドライバー、歩行者たちの命も預かっているのだということを忘れずにしたいところです。
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正しい運転姿勢はまずシートに腰をしっかりとつけて深く座り、足をブレーキペダルに常に置いた状態にします。
ハンドルは必ず両手で持ち、肘に余裕がある角度で固定します。
身長が高い人や逆に低い人の場合にはシートの高さやハンドルの位置がなかなか運転しづらいところにあったりしますが、そうした時にはハンドル位置やシート高の調節をしておくようにしましょう。
その他にもある危険を招く運転手の行動
毎年痛ましい自動車の事故のニュースが伝えられていますが、中でも2017年に最も大きく報道されたのが「ロードレイジ」です。
「ロードレイジ」というのは公道を運転中に起こるドライバー同士のケンカのことで、相手の自動車に極端に幅寄せしたり、進路を妨害したりといった公道をとることを言います。
よく「ハンドルを握ると性格が変わる」といったことが言われることがありますが、実際に運転中というのは何かと感情が高ぶりやすく、またつい強気になって危険な行動に出てしまいがちです。
それと運転姿勢がどう関係があるかというと、交通心理学の専門家によるとそうしたロードレイジを起こしやすい人の特長として、自動車の中をまるで自分の家の個室のような感覚で運転していることがあるからです。
自分だけの空間と思っているところに「邪魔」が入るとそれが激高のスイッチになり、暴力的な行動に走りやすいのだと言います。
ですので運転姿勢が極端に悪い人というのはそうした「自分の空間」という意識が強く持たれているので、気持ちを引き締める意味でも乗車姿勢はとても大切なのです。