エアバッグの安全性と実際の事故での効果

近年大きな事件として報じられたニュースに「タカタ製のエアバッグ問題」がありました。
一般的な自動車ユーザーにとっては「タカタ」と言っても今ひとつピンとこないかもしれませんが、自動車に搭載されているエアバッグはメーカーを問わずほとんどがタカタ製のものです。

そうした圧倒的な一強シェアがこの問題の根幹になっていると言ってもよく、2004年に異常が確認をされてから実際に国内でリコールが起こるまで非常に長い年月がかかりました。

リコールの経緯や実際の不具合については既に各自動車メーカーから公表されているのでそちらを参考にしてもらいたいところですが、問題が明るみに出た途端にほぼ全ての自動車メーカーがプレスリリースを配信したところに影響の大きさが伺えます。

エアバッグ問題が非常に深刻であったのは、今や自動車の安全装置としてエアバッグはシートベルトと並ぶ重要な位置に置かれているからです。

例えばシートベルトを製造している会社に何らかのトラブルがあり「走行中に切れるかもしれない」と言われたら、おそらく多くの人が恐怖するでしょう。

エアバッグもそれと同様で、実際の事故の時にもし正常に機能しなかったら事故は非常に大きなものになってしまうのです。

エアバッグが作動する条件

エアバッグの基本的な機能として「30km/h以上の前面衝突時」に作動することがあります。
その自動車が一定の衝撃を受けたときにハンドルやダッシュボード、ドアから瞬間的に開くようになっています。

エアバッグの性能を発揮するためにはシートベルト着用が必須となっており、この二重の防御システムにより搭乗者の身の安全を高めてくれます。

タカタ製エアバッグの問題は、こうした条件になった時であっても内部の部品・薬品の劣化により正常に開かないことがあるというものでした。

車体に衝撃を受けてからエアバッグが開くまでの間は0.015秒とされ、これは人が瞬きをするよりも早い速度となっています。

エアバッグが開くと一瞬にして目の前にクッションとなる袋が出現するので、実際に衝突をした人はかなり驚くようです。

初めてエアバッグ搭載車が登場したのは1990年代の終盤ですが、当時は運転席のみの車載であったものが現在では助手席や後部座席のドアなどにも取り付けられるようになりました。

ちなみに空気が中に入っているエアバッグというイメージから、フカフカのクッションのように思いますが実際は相当硬いものです。

エアバッグは車外に体が飛び出すことを防ぐことを前提に作られているので、もし衝突をしたときにエアバッグに顔面から強打をしてしまうと、場合によっては鼻の骨が折れるなどのケガをしてしまうこともあります。