ライダーに必要な「着るエアバッグ」
自動車に搭載されているエアバッグではなく、ドライバーが身につけるエアバッグが今注目されています。
20年ほど前には想像する事すらできなかった「着るエアバッグ」は、現在ではサーキットのライダーはもちろんのこと、一般道を走るライダーにとっても必需品の一つとなっています。
10年以上前に誕生した初の「着るエアバッグ」では、エアバッグを内蔵したジャケットに炭酸ガスボンベがワイヤーで繋がっており、転倒などでバイクと体が離れると炭酸ガスがジャケットの中に入り込みバッグを膨らませるという仕組みでした。
ジャケットとバイクをワイヤーでつないでおかなければいけないため、エアバッグがひらく瞬間の走行スピードによっては炭酸ガスがジャケットに流れる前にワイヤーが切れてしまい、役に立たないという問題点もありました。
現在の着るエアバッグは、ワイヤレス式が一般的です。
販売当初は価格面で手が届かないという懸念はあったようですが、現在では生産量が増えたことで価格も下がり多くのライダーにとって手が届く価格帯で提供されています。
機能的で大きな安心感
ワイヤレス式の「着るエアバッグ」では、D-airというエアバッグシステムが搭載されています。
レーシングスーツの中にはD-airが内臓されているものもあり、今後はもっと多種多様なタイプが増えることでヘルメットやシートベルトと同じように安全運転する際の必需品の一つになる日は近いでしょう。
近年ではさらに技術開発が進み、レーシングスーツやレザースーツの中にD-airが内蔵されているでも、それほど重さを感じなくなりました。
軽量化が進んだことによって動きやすさも高まり、快適な着心地でも万が一の時にはエアバッグが自分を守ってくれるという大きな安心感があります。
抜群の安全性、だから万が一の時にも安心
着るエアバッグを使用する際には、まずUSBコードを使って充電します。
その上でファスナーを締めて胸元のボタンを留めると、通電してエアバッグはスタンバイの状態となります。
搭載されているセンサーは1秒当たり1000回という回数で、どんな瞬間でもドライバーのニーズを逃しません。
作動するかどうかの判断にかかる時間は0.015秒と素早く、高速走行中の衝突や転倒によっても間に合わないという事態が起こりにくくなっています。
また、エアバッグがひらく速さは、わずか0.03秒。
開くかどうかを判断する時間と合わせても、約0.045秒という圧倒的なスピードでドライバーのみを守ることができます。
バイク走行においては、一般道とサーキットでは同じ走行でもアルゴリズムが大きく異なります。
そのため、エアバッグを購入する際には目的と用途に応じて適切なものを選ぶことをおすすめします。
値段の目安としては、一般道や公道向けのものは比較的リーズナブルなローサイドで、サーキット仕様はハイサイドが多いです。