ABSとセットで搭載されている「ブレーキアシスト」
ブレーキアシストとは、ブレーキを踏む力が不十分であった時にドライバーに代わって適切な力でブレーキングをしてくれる装置のことです。
ブレーキアシストはABSとセットになって搭載されていることが多く、2つの機能がそれぞれの側面から運転手と同乗者の安全を守ります。
そもそもなぜブレーキアシストという機能が必要かということから話をすると、これは実際の事故のときに危険を察知してから十分にブレーキを踏むことができた人というのは半数程度しかいないということが関係しています。
ブレーキを十分に踏めたという人は全体の約53%にとどまり、踏み方が足りなかったり、ほとんど踏むことができなかったという人は合わせて約47%になっていました。
教習でもよく言われることですが運転中に「ぶつかる!」と感じた時、どんなに遅くてもブレーキを踏むことで被害を少しでも小さくすることができます。
最後まで諦めずにブレーキを踏み続ければ助かったというような事故もあるので、緊急時にどれだけ思い切ってブレーキできるかが重要なのです。
とはいえ緊急時にとっさにブレーキを踏むというのは難しいことですので、それを機械の方で制御してアシストしようというのが「ブレーキアシスト」ということになります。
同じブレーキの安全装置としてABSがありますが、こちらが急ブレーキをかけたときにタイヤがロックされるのを防ぐしくみで、ブレーキそのものを強く踏み込むことを助けるのがブレーキアシストです。
最新式のブレーキアシストシステム
ブレーキアシストシステムは、各自動車メーカーにより仕様が異なります。
テレビCMなどで見かけるのが「ぶつからない車」という言い方です。
最新式のブレーキアシストを搭載している車種としては、SUBARUの「レガシィ」や「レヴォーグ」といったものが代表的で、他にも「レクサスLX」やTOYOTAの「ランドクルーザー」「シェンタ」などがあります。
全体的に高級車に多く搭載されているという印象がありますが、これはより高性能を求めるユーザーに向けられた機能であるからです。
より高度になったブレーキアシストシステムは、今後実用化してくるであろう自動運転車にもつながる技術であるので、自動車自身が危険を察知できるようなシステムを各社で開発しています。
一方で搭載されていないことが多いのが軽自動車やコンパクトカーなどです。
というのも高機能なブレーキアシストは搭載することで車体価格を大きく跳ね上げてしまうので、安価で自動車を所有したいというユーザーにとってはそれほど魅力的ではないということが関係しています。