漫然運転を予防してくれる車線逸脱抑制装置
死亡につながる事故原因として最も多いのが「漫然運転」です。
漫然運転とは簡単に言うとぼんやりしたまま運転をしてしまうことで、ハッと気がついた時には既に障害物や他の自動車が目の前にあったということになります。
特に発生しやすいのが長距離運転中で、夜間や高速道路など走行中にあまり大きな景色の変化がなく、同じ運転方法を繰り返す時に発生しやすくなっています。
漫然運転の特長は「目は開いているのに見ていない」ということです。
誰しも一度はぼーっとしていたためにうっかりミスをしてしまったという経験があることと思いますが、これを運転中に行ってしまうことで非常に大きな事故につながってしまいます。
同じようなものに「脇見運転」がありますが、いずれも本来ならば集中して行わければいけない自動車運転を惰性や感覚だけで行ってしまうというところに問題があります。
とはいえ漫然運転をする人もしたくてしているわけではなく、気がついたらそうなってしまっていたということが大半です。
そこでうっかり漫然運転になってしまったときに、危険を教えてくれるのが「車線逸脱抑制装置」となります。
漫然運転をしてしまうときによく起こるのが車線の飛び出しです。
よく交通事故のニュースで「対向車線をはみ出した車と正面衝突」という言い方を聞きますが、これも漫然運転などにより本来はみ出してしまってはいけない車線を飛び出したことが原因でしょう。
はみ出し警告により運転手を助ける
この車線逸脱抑制装置は既に多くの自動車に搭載されています。
従来までは「車線はみ出し警告」として車線から飛び出ようとする自動車に対して、警告パネルやアラーム音によって合図を出すというものでした。
それがより進化したことにより、車線を逸脱しようとする自動車を自動的に位置補正をして、もとの車線に戻してくれるという機能になっています。
この装置の優れた点は、運転手が駐車車両を避けるために意図的に車線をはみ出したという時には機能をせず、あくまでも漫然運転によるはみ出しにのみ対応をするというところです。
車線逸脱抑制装置の代表的な実装としてHONDAの「センシング」があります。
HONDAセンシングは、単独カメラによって車線を検知して、そこからメーター内の表示とステアリングの振動によって警告するものです。
また同時に車線をもとに戻すためのステアリング支援も行うので、運転中に起こる危険を大幅に軽減してくれます。
同様の機能としてはTOYOTAの「レーンキーピングアシスト」や日産の「車線逸脱警告」といったものです。
HONDAセンシングは既に多くのHONDA車種で導入をされています。