事故を起こしたときの衝撃を軽減してくれる車体

「衝突安全ボディ」とは、あまり聞いたことがないかもしれませんが、車が衝突事故をしたときのダメージを軽減してくれる車体を指します。
車が事故を起こしてしまうと、車体が大きくへこんでしまったり、状況によっては大破と呼ばれる状態になったりすることもあります。
勢いよく車や壁などにぶつかると、その衝撃は非常に大きく、ときには命を落としてしまうような大事故に発展してしまうことさえあるのです。

こうしたとき、強度の高い車体の車に乗っているとダメージが軽減されます。
各自動車メーカーはボディの強度を高める努力を行っていますが、その中で誕生したのがこの衝突安全ボディなのです。

衝突安全ボディの、知られざる仕組み

衝突安全ボディという名称を聞いたことがあっても、その仕組がどのようになっているかを理解している人は少ないのではないでしょうか。
これまで自動車メーカーは、車体の耐久性を上げてきたという歴史がありました。
より頑丈で、より固く、潰れにくいボディを目指して開発が進められてきたのです。

ただ、いかに強い車体を作ったとしても、その安全性には限界がありました。
車が衝突事故を起こしたときには大きな振動や衝撃が加わり、それが運転手や乗っている人にどうしても伝わってしまうのです。
こうしたダメージは、怪我や死亡などに繋がってしまうことが多々ありました。

衝突安全ボディは、より強度を高めるそれまでの路線とは異なり、「衝撃を吸収する」というコンセプトで開発されました。
無理に衝撃を防ごうとするよりも、柔らかく吸収するほうが、特にドライバーにとってはその影響を軽減できるのです。

こうした車体を実現するために、ボディに使われるパーツはあえて潰れるようになっている素材が使われるようになっています。
衝撃が加わったときに潰れることで、他の部分が守られるようになるのです。

衝突安全ボディは、メーカーによって呼び方が違う

衝突安全ボディはメーカーごとに呼び方が異なり、例えばトヨタでは「GOA」と呼びます。
日産ではゾーンボディ、ホンダでは全方位衝突安全設計ボディやG-CONのように呼ばれています。

こうした呼び方は一度ではすぐに覚えられないかもしれません。
しかし何度も耳にすることで覚えやすくなるため、興味があれば新しく発売される車種を細かくチェックしてみるといいかもしれません。

衝突安全ボディは今や車にとってなくてはならない技術であり、ドライバーを守るために大切な役割を果たしています。
そして今も改良が続けられており、今後はさらに安全性の高いものが登場することが予想されます。
今後の新しい技術にも、ぜひ注目しましょう。