車の駆動を制御する仕組みのこと
「トラクションコントロール」は、普段から車を運転している人でもあまり聞いたことがない単語かもしれません。
これは車の内部にある仕組みのことで、駆動を制御するシステムを指します。
車を運転していると、場所によってはタイヤが空回りしてしまったり、横滑りをしてしまったりすることがあります。
たとえば雪道などではタイヤがスリップしてしまったり、雨の日のカーブなどでは横滑りをすることがあります。
こうしたときは運転手が状況を制御しきれず、事故などに繋がってしまいます。
ですがトラクションコントロールがあることで、車が自動的に制御され空回りや横滑りが防げるようになっているのです。
この仕組は自動車メーカーによって呼び方が異なり、トヨタでは「TRC」と呼んでいます。
日産では「VDC」、ホンダでは「TCS」と呼ぶなど、かなり混乱しやすいのが特徴です。
ですが基本的には同じ仕組みのことを指しているため、「トラクションコントロール」という単語をまずは覚えておくと良いでしょう。
大きく分けて、4つの仕組みで制御している
トラクションコントロールは大きく分けて、4つの仕組みで車を制御しています。
まずは「タイヤの回転を検知すること」です。
タイヤが回転するときには、回転数が表示されます。
これを車が検知しており、異常な回転数になったときはコントロール機能が働くようになります。
次に「エンジン回転数の検知」です。
エンジンもタイヤと同様に回転数があり、横滑りなどをすると回転数が急激に上がることがあります。
このときに出力が抑えられ、安全な走行をサポートします。
さらに「ABSによるタイヤの制御」です。
ABSは以前からあるブレーキのシステムですが、これを上手く使うことでタイヤの回転数を制御します。
最後に「オートマのシフト制御」です。
AT車は自動的にシフトが変化しますが、これが異常をきたすときにもトラクションコントロールが働きます。
適切なシフトになるよう自動的に働き、スリップなどを未然に防ぎます。
トラクションコントロールのメリットとデメリット
トラクションコントロールのメリットは、「安全な運転ができること」にあります。
いくら人が運転に気をつけても、ときにはミスをしてしまうことがあります。
こうしたときにもしっかりと事故やトラブルを防いでくれるため、より安心して車に乗ることができるのです。
デメリットは、「悪路には不向き」という点が挙げられます。
ぬかるんだ泥道や深すぎる雪道などは、いくらトラクションコントロールがあっても車を制御しきれないことがあります。
こうした道はトラクションコントロールが搭載されているとは言え、なるべく避けるようにしたほうが良いでしょう。
このシステムはドライバーにとってとても助かる機能ですが、あまり信じすぎると逆に大きな事故に繋がってしまうことがあります。
普段から安全運転を心がけることは、いつも忘れないようにしましょう。